〈天使の番〉



2018年秋発行予定
短篇/旅/選択/性

小説と現実の違い、それは風景が感情の映し鏡としての存在から逃れられないということ。ーー本当にそうだろうか。

世界中ふらふらと書き物をして暮らす男と、「共鳴音」を探して旅をする女性の物語


以下本文より抜粋

石の壁に背を預け、細い街路樹に背を預け、私の寂しさは土の中へと還っていく。そこには人の言うような虚しさもなく、ただ風は吹き、川面は揺れ、太陽は西へと傾いていく、何かそういった事象と変わらないひとつになるのである。

言葉で何かを見る限り、在るで止まってはいられない。

「共鳴というのを聞いたことはありますか」

何かを信じた人間は不感だ。