波の寄る辺より



2018年……気づけばあっという間に年末です🎄
2017年11月に同人へと飛び出してまだ1年、されど1年、とても色濃い年でした。
今回はちょうど創作専用の日記をつけていたことを思い出したので(とても雑ですが)それを見ながら振り返ってみようと思います。



January

幸先のよいことに、2018年の1月は『移ろい』に収録されている『迷子の栞』がKino-Kuni文學賞にて佳作に入選した知らせを受けるところから始まりました。本当にありがたいことです。

ただ面白いことに日記には、同じ日付で「もしかして: スランプ」と書かれているのですよね。
今振り返ってもそのときの心情は思い出せそうにありませんが、この時期はちょうど『百日紅』を書いていた時期なので『移ろい』と比較して低迷することが少し怖くなったのかもしれません。
よくよく考えてみますと、『百日紅』は地の文を全てですます調にするなど、『移ろい』とは比較しようのないところへ持っていこうとした痕跡と言えなくもない雰囲気が漂っているようないないような。



February&March

結局10月に書き始めた筈の短篇『百日紅』は3月になるまで書き上がらなかったのですけれど、『百日紅』から少し離れていた2月にぽつぽつと書いていたのが『呟集 真珠』でした。診断メーカーのお題を用いて140字の断片を描く。一篇にかけた時間はどれも30分と満たなかった筈で、ちょうどいい息抜きとリハビリとになっていたのではないかと思います。
原因がスランプであろうと忙しさであろうと書けないことに感じるストレスは今後もこの方法でなら解決できそうだと感じましたね。

また、3月には吉祥寺の百年さんに『移ろい』を委託させていただき、秋まで置かせてもらいました。どうもありがとうございました。



April&May

4月には『妖精の谷』という短篇を、5月には『天使の番』を書き始めました。
『天使の番』は紆余曲折ありながらも当初の予定通り秋の文フリ東京の新刊として発行することができたのでいいのですが、『妖精の谷』はまあ見事に頓挫しまして……来年、はわかりませんがいつかやり直したいと思っています。

春の文フリ東京は出店をせず、一般参加だったのですけれど、寄稿させていただいた『シズムアンソロジー』が初めてお目見えしたのがこのときでしたね。
同人でどこかへ寄稿させていただくというのはこれが初めての経験だったのですが、やらかしつつも大らかに受け止めていただき、うささん、磯崎さんは勿論、他の寄稿者のみなさんにもとても感謝しています。

文フリ金沢には委託で参加させていただきました。いつか直参加したいと思っているのですが、中々難しいですね……


June&July

6月にはこれまた委託で静マルに参加させていただきまして、7月にはテキレボでおかさんのところに委託をさせていただきました。
次回、テキレボは出られないのですが静マルは直参加で行こうと思っています。

原稿は目の回る忙しさの中、一週間で『生きは酔々』に寄稿させていただいた話の初稿を書いていますね。突貫工事にもほどがあります。


August&September

8月は忙しすぎたのか何もできず、9月に#紙街04『花の理』と『天使の番』の初稿をあげ、『街路の止まり木』の改稿に取り掛かり、港町アンソロジー『PortRay』を始動しました⚓️



October&November

あまぶん、HUB、文フリ東京と3つのイベントに参加し、休日の密度が矢鱈高いように感じられた2ヶ月でした。
あまぶんの新刊に『百日紅』、HUBと文フリ東京の新刊に『天使の番』を携えまして、文フリ東京では『生きは酔々』に寄稿した『街路の止まり木』も新作としてありました。

『街路の止まり木』とは控えめに言って死闘を繰り広げました。作品の注文にわたしが中々応えられず……
作品によって文章が変わるのは、作品が文章を選ぶからなのですけれど、『移ろい』のあとの『百日紅』も、『移ろい』とは違うことを要求してくる素材だったからこそ次に選んだのだろうと思います。
ちなみに『天使の番』は結果として『移ろい』と『百日紅』の両方の流れを汲んだような作風となったのですが、恐らくどちらもわたしの呼吸にあった文章であったらしく、応えられないという感覚はありませんでしたね。……改稿の数と捨てた文章の量はいまだに増え続けていますが……

またこの2ヶ月の大きな出来事として『PortRay』のロケハンがあります。
横浜と神戸の港町アンソロジーということで立ち上げ進行しているものですけれど、主宰としてどのようなアンソロジーにしたいかと思ったとき、作品自体をいいものにまとめ上げるということは勿論ですが、こうして集ってもらった以上、「参加したという実感」や「楽しい気持ち」を献本とともにお渡しできたらなと思いました。また、「安心して書いて欲しい」という思いも強く、結果みなさんの協力もあり、ロケハンやイベントを通して寄稿者全員とお話する機会を得ることができました。
原稿の〆切は来年ですが、書き終えたあとにも何かできることはないだろうかと色々考えてはいたりします。
読むという点に関しても、それぞれの文章に加えてならではの頁を設けられたらと思ったり。



December

というわけで今は専ら『PortRay』に集中しています。#ペーパーウェル01『雪兎』も何とか隙間時間に書き終えまして、12/22には配信できるかなと。

来年は『PortRay』を全力で推していくのが主な活動になりそうですが、他に今決まっているものとしては『コトバ小曲集』への寄稿があります。ひとりひとりテーマが異なるのですが、何とわたしは「終曲(フィナーレ)」です。全く、戦々恐々どころの騒ぎではない。
あとはそうですね、今年は全くと言っていいほど公募に手を出さない年だったので(同人で手一杯でした)来年は公募用にも何か書きたいなと思っています。

桜鬼